※内容は2026年10月9日時点の法令・公的機関の公表資料をもとにしています。曜日・祝日は2026年のカレンダーで確認しています。
「3日以内にご返信ください」「三日以内に提出」。よく見る言い回しですが、当日を1日目に数えるのか、翌日からなのかで、期限は1日ずれます。計算デスクを運営する私も、取引先とのやり取りで「○日以内」の数え方に迷ったことがあります。
この記事では、民法の期間計算のルールをもとに、カレンダー上の日(暦日)で数える「○日以内」の数え方を、2026年10月9日(金)を例に書き方別に整理します。土日祝を除いて数える「3営業日以内」は数え方の慣行が別なので、「3営業日以内」はいつまで?営業日の数え方と当日を含むかの慣行で詳しく解説しています。
結論:「3日以内」は、言われた当日を数えず、翌日を1日目として3日目の終わり(夜12時)までです。たとえば10月9日(金)に言われたら、10日(土)・11日(日)・12日(月)と数えて10月12日の終わりが期限。「本日を含めて3日以内」と書かれていれば、1日早い10月11日の終わりになります。
言われた日と日数から、期限の日付を計算する
下のツールの「計算の種類」で「○日後・○日前の日付」を選び、基準日に言われた日(メールを受け取った日など)、日数に「3」を入れると期限の日付が出ます。「当日は数えない(翌日が1日目)」が民法の原則どおりの数え方で、「本日を含めて」と書かれていたら「当日を1日目に数える」に切り替えてください。期限が土日・祝日に当たるときは、その旨も表示されます。
「3日以内」の数え方の原則:当日は含まない(民法140条)
期間の数え方は、民法の138〜143条に決まりがあります。日数で決めた期間について、ポイントは次の3つです。
| 条文 | 決まっていること | 「3日以内」への当てはめ |
|---|---|---|
| 140条 | 日・週・月・年で期間を決めたときは、初日は算入しない。ただし期間が午前0時から始まるときは初日から数える | 言われた当日は数えず、翌日が1日目 |
| 141条 | 期間は末日の終了をもって満了する | 3日目の終わり(夜12時)まで |
| 142条 | 末日が日曜・祝日などの休日で、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、翌日に満了する | 3日目が休日でも、自動で延びるとは限らない |
当日を数えないのは、一般に、当日はすでに何時間か過ぎていて丸1日ないためだと説明されます。そのため、「10月10日から3日間」のように午前0時ちょうどから始まる期間は、初日も数えます(140条ただし書き)。
もう一つ大事なのが138条です。この章の決まりは、法令や当事者の取り決め(契約)で別の定めをしていれば、そちらが優先されます。「本日を含めて3日以内」と書けば、当日が1日目になります。
10月9日(金)に「3日以内」と言われたら?書き方別の期限
同じ「3日」でも、書き方によって期限は変わります。2026年10月9日(金)に言われた場合で比べると、次のとおりです。なお、2026年10月12日(月)はスポーツの日(祝日)です。
| 言われ方・書き方 | 1日目 | 期限(末日) | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 「3日以内」(特に定めなし) | 10月10日(土) | 10月12日(月・祝)の終わり | 民法140・141条。末日が祝日なので142条の問題になる(次の章) |
| 「10月9日の翌日から起算して3日以内」 | 10月10日(土) | 10月12日(月・祝)の終わり | 上と同じ。初日を含まないことを文字で明示した書き方 |
| 「本日を含めて3日以内」「10月9日から起算して3日以内」 | 10月9日(金) | 10月11日(日)の終わり | 当日を1日目とする取り決め(138条)。1日早くなる |
| 「10月10日から3日間」 | 10月10日(土) | 10月12日(月・祝)の終わり | 午前0時から始まる期間なので初日を数える(140条ただし書き) |
| 「3営業日以内」 | 10月13日(火) | 10月15日(木) | 土日祝を除き、翌営業日を1日目とする慣行 |
| 「10月12日まで」 | ― | 10月12日(月・祝) | 日付で決まるので誤解がない |
※「3営業日以内」の行は、計算デスクの営業日計算ツールの初期設定(土日・祝日・年末年始を休業日とし、基準日は数えない)で数えた日付です。
「以内」という言葉は、その数を含むという意味です。ただ、起算日(どの日を1日目にするか)は「以内」では決まりません。決めているのは、民法140条の原則と、「から起算して」「翌日から起算して」といった書き方です。
法令でも、この2つは書き分けられています。特定商取引法9条のクーリング・オフは書面を受け取った日「から起算して」8日、行政不服審査法18条の審査請求は処分を知った日の「翌日から起算して」3か月です。前者は受け取った日が1日目、後者はその翌日が1日目になります。

期限の末日が休日のとき:民法と行政・税で扱いが違う
上の例では、ふつうに数えた末日の10月12日が祝日でした。この場合の扱いは、民法と行政・税の手続とで違います。
| 決まり | 対象 | 末日が休日のとき | 休日に当たる日 |
|---|---|---|---|
| 民法142条 | 契約・取引など | その日に取引をしない慣習がある場合に限り翌日に満了 | 日曜日、祝日、その他の休日 |
| 行政機関の休日に関する法律 2条 | 国の行政庁への申請・届出など | 休日の翌日が期限とみなされる(法令に別の定めがあれば除く) | 土日、祝日、12月29日〜1月3日 |
| 国税通則法 10条2項 | 国税の申告・納付など | 翌日が期限とみなされる | 日曜日、祝日その他一般の休日、土曜日、12月29日〜31日(施行令2条2項) |
国の役所への届出や税の申告で、法令で定めた期限なら、期限が休日に当たれば条文で自動的に翌日に延びます(行政機関休日法2条は法律・命令で定めた期間が対象で、国税通則法10条2項も施行令2条1項で除かれる期限があります)。期限が10月12日(祝)なら10月13日(火)です。期限が12月29日(火)に当たる場合は、そこから1月3日(日)まで休日が続くため、2027年1月4日(月)が期限になります。
一方、民法142条は「取引をしない慣習がある場合に限り」という条件付きです。取引先との「3日以内」の約束で末日が祝日でも、当然に翌営業日まで延びるとは言えません。祝日も営業している業種や相手もあるので、迷ったら末日より前に済ませるか、日付で確認するのが確実です。なお、市区町村など地方の役所の手続は、それぞれの決まりによるため、窓口で確かめてください。
当日を含む代表例:クーリング・オフは書面を受け取った日が1日目
民法の原則とは逆に、初日を数える代表がクーリング・オフです。特定商取引法9条は、書面を受け取った日「から起算して」8日を過ぎたら撤回できない、と定めています。消費者庁も「書面を受け取った日から数えて8日以内」と案内しています。
| 取引の種類 | 期間 | 10月9日(金)に書面を受け取った場合の最終日 |
|---|---|---|
| 訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入 | 8日間 | 10月16日(金) |
| 連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引 | 20日間 | 10月28日(水) |
| 通信販売(ネット通販など) | クーリング・オフの対象外 | |
※連鎖販売取引で、再販売する商品の最初の引渡しが書面の受領より後のときは、その引渡しを受けた日から数えます(特定商取引法40条1項)。
※通信販売は、返品の特約がなければ、商品を受け取った日を含めて8日以内なら返品できます(返品の送料は消費者の負担。国民生活センター)。
受け取った10月9日を1日目とするので、8日間なら10月16日が最終日です。民法の原則どおり翌日から数えると10月17日になり、1日遅れて間に合わなくなるおそれがあります。
また、クーリング・オフは期間内に通知を発すれば効力が生じます(9条2項)。最終日に出せば、相手に届くのが翌日以降でも構いません。国民生活センターによると、2022年6月1日からはメールなどの電磁的記録でも通知できます。はがきなら特定記録郵便や簡易書留、メールなら送信したメールの保存など、出した日の記録を残しておきましょう。

「○日以内」で迷わないための伝え方
数え方の決まりを知っていても、相手が同じ前提で数えているとは限りません。期限を伝える側・受け取る側でできることは次のとおりです。
- 日付と曜日で書く:「3日以内」ではなく「10月12日(月・祝)まで」。誤解の余地がいちばん少ない書き方です
- 日数で書くなら起算日を明記する:「本日を含めて」「翌日から起算して」のどちらかを添える
- 末日が休日のときの扱いを決めておく:契約書なら「末日が休業日のときは翌営業日」などと書く
- 受け取った側は、最も早い解釈で動く:当日を含めた場合の日付までに済ませれば、どちらの数え方でも間に合います
営業日で数えるなら営業日計算ツールで
「3営業日以内」「5営業日後」のように土日祝を除いて数える期限は、年末年始や振替休日が絡むと手で数えるのが大変です。計算デスクの無料ツールなら、祝日を自動で除いて日付を出せます。
- 日数計算ツール(○日後・日付の間の日数):初日を含める/含めないを切り替えて、期限の日付と曜日を計算。末日が土日祝日なら注記が出ます
- 営業日 計算ツール(N営業日後・営業日数):基準日と営業日数から到達日を計算。会社独自の休業日も追加できます
- 「3営業日以内」はいつまで?営業日の数え方と当日を含むかの慣行:営業日の定義と、当日を含むかの慣行の解説
参考にした公的な情報
- e-Gov法令検索 民法(138〜143条)
- e-Gov法令検索 行政機関の休日に関する法律(1条・2条)
- e-Gov法令検索 国税通則法(10条)
- e-Gov法令検索 国税通則法施行令(2条)
- e-Gov法令検索 行政不服審査法(18条)
- e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律(9条・40条)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問販売
- 国民生活センター クーリング・オフ
- 内閣府 国民の祝日について(2026年10月12日 スポーツの日)
よくある質問
「10月9日から3日以内」は何日まで?
日・週・月・年で決めた期間は、初日を数えずに翌日から数えるのが民法の原則です(140条)。10月9日から3日なら10日・11日・12日と数え、10月12日の終わりで期間が満了します(141条)。初日も数える決まりがある場合は10月11日までになります。
初日を含めて数えるのはどんなとき?
期間が午前0時ちょうどから始まるとき(「10月10日から3日間」と翌日以降の日付から始めるときなど)は、初日も数えます(民法140条ただし書)。年齢の計算(年齢計算ニ関スル法律)や、法令・契約で「当日を含む」と決めている場合も初日を数えます。
期限の日が土日祝日なら翌日に延びる?
民法では、期間の末日が日曜日・祝日などの休日に当たり、その日に取引をしない慣習があるときに限り、翌日が満了日になります(142条)。国税の申告・納付期限(国税通則法10条2項)や行政手続の多くは、法令で休日の翌日に延びると定めています。契約の期限は契約書の定めを確認してください。
