月給から1時間あたりの基礎賃金を求め、法定時間外(25%増)・月60時間超(50%増)・深夜(25%増)・法定休日(35%増)の割増賃金を計算します。深夜と時間外が重なる場合の50%増、休日深夜の60%増にも対応しています。

時間単価の出し方

月給制の場合、1時間あたりの基礎賃金は次の式で求めます。

1時間あたり = 月給(除外手当を引いた額)÷ 1ヶ月平均所定労働時間
1ヶ月平均所定労働時間 =(365日 − 年間休日)× 1日の所定労働時間 ÷ 12

年間休日120日・1日8時間なら、(365 − 120) × 8 ÷ 12 = 163.33時間。月給28万円ならこれで割って時間単価は約1,714円です。うるう年も含めた平均で考えるため365.25日を使う会社もあります。

割増率の一覧

区分割増率支払い額
法定時間外(1日8時間・週40時間超)25%以上時間単価 × 1.25
うち1ヶ月60時間を超える部分50%以上時間単価 × 1.50
深夜(22時〜翌5時)25%以上時間単価 × 1.25
時間外 + 深夜50%以上時間単価 × 1.50
法定休日(週1日の休日)35%以上時間単価 × 1.35
法定休日 + 深夜60%以上時間単価 × 1.60

深夜割増は他の割増と重ねて加算されます。一方、法定休日の労働には時間外割増は加算されません(休日労働に「所定時間」という概念がないため、35%増のまま)。

基礎賃金から除く手当

割増賃金の計算の基礎からは、次の7つを除きます(労働基準法37条5項、施行規則21条)。これ以外の手当は原則として基礎賃金に含めます。名称ではなく実態で判断されるため、「住宅手当」でも一律定額なら除外できません。

  • 家族手当/通勤手当/別居手当/子女教育手当
  • 住宅手当(住宅費用に応じて算定されるもの)
  • 臨時に支払われた賃金/1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

法定時間外と所定時間外の違い

1日の所定労働時間が7時間の会社で1時間残業した場合、8時間には達していないので法定時間外ではなく「所定時間外」です。この1時間には25%の割増義務がなく、時間単価そのまま(1.00倍)の支払いで足ります。ただし、就業規則で所定外も割増にすると定めていればそちらが優先されます。本ツールの「法定時間外」欄には、8時間(週40時間)を超えた分だけを入れてください。

よくある質問

月60時間を超える残業の50%割増は中小企業も対象?

対象です。2023年4月1日から中小企業にも適用されています。60時間の計算には法定休日の労働時間は含めませんが、それ以外の休日(所定休日)に働いた時間は含めます。

根拠:厚生労働省 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます(PDF)

深夜に残業したら割増率はいくら?

時間外25%+深夜25%で50%以上です。月60時間を超える時間外労働が深夜なら50%+25%で75%以上、法定休日の深夜労働は35%+25%で60%以上になります。

根拠:厚生労働省 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます(PDF)

残業時間は15分・30分単位で切り捨ててよい?

いけません。毎日の残業は1分単位で数えます。認められているのは、1か月の時間外・休日・深夜労働それぞれの合計について、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる処理だけです。

根拠:大阪労働局 よくあるご質問(時間外労働・休日労働・深夜労働)

所定労働時間7時間の会社で1時間残業したら割増は必要?

1日8時間・週40時間(法定労働時間)の範囲内なので、法律上の25%割増は不要で、通常の時間単価で支払えば足ります。就業規則で所定外の労働も割増にすると定めている場合は、その定めに従います。

根拠:労働基準法 第32条・第37条(e-Gov法令検索)

根拠・参考

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