※内容は2026年10月22日時点の所得税法・租税特別措置法に基づいています。

勤務先で年末調整の書類が配られ始めるのは、10月の終わりごろです。毎年手続きしていても、「いつまでに何を出すのか」「還付はいつ戻るのか」は、意外と思い出せないものです。

さらに2026年(令和8年分)は、基礎控除の引上げや扶養の年収の目安の変更により、去年と書き方が変わる人もいます。

計算デスクを運営する当社でも、年末調整の計算は税理士に依頼しています。ただし、申告書に記入して提出するのは従業員一人ひとりです。この記事では条文に沿って、年末調整のスケジュールと提出書類のチェックリストをまとめます。

年末調整はいつ?その年最後の給与で精算する

会社が年末調整を行うのは、その年最後に給与を払うときです(所得税法190条)。毎月の給与から引いた所得税の合計を、1年分の正しい税額と比べます。引きすぎていた分は戻し、不足していれば追加で引く仕組みです。

精算の時期は、多くの会社で12月の給与やボーナスの支給時です。ただし、12月の給与計算に間に合わない場合などには、1月の給与で戻す会社もあります。還付の時期は勤務先に確認してください。

次に当てはまる場合は勤務先で年末調整を受けられないため、確定申告をします。

  • その年の給与の額が2,000万円を超える人
  • 年の途中で退職して、年内に再就職していない人(原則)
  • 扶養控除等申告書を提出していない勤務先(2か所目の勤務先など)からの給与

年末調整2026のスケジュール

会社員が手続きを進める際の流れは、次のとおりです。社内の締切は勤務先ごとに決められます。

時期 やること
10月〜11月 勤務先から申告書が配布され、保険会社などから控除証明書が届く
11月ごろ 申告書に記入し、控除証明書とともに勤務先へ提出する(社内の締切)
12月 最後の給与で精算。還付がある場合は給与に上乗せされる
翌年1月31日まで 勤務先から源泉徴収票を受け取る(所得税法226条)

法律上、保険料控除申告書などの年末調整用の申告書は、その年最後の給与を受け取る日の前日までに提出すればよいとされています。ただし、会社側にも計算する時間が必要なため、実際の締切はそれより前に設けるのが一般的です。

年末調整2026のスケジュールの流れ図。10月から11月に申告書が配られる、11月ごろ勤務先へ提出、12月の最後の給与で精算、翌年1月31日までに源泉徴収票を受け取る
10〜11月に申告書が配られ、11月ごろに提出、12月の最後の給与で精算され、翌年1月31日までに源泉徴収票を受け取る。社内の締切は勤務先が決める

年末調整の必要書類チェックリスト(令和8年分)

会社員が年末調整で提出する申告書は、主に次の5つです。すべての書類を全員が出すわけではありません。

書類 出す人 用意するもの
扶養控除等申告書(令和8年分) 全員(年の初めに提出済み)。家族の状況に変化があった人は修正する 家族の生年月日・年収の見込み
基礎控除申告書(配偶者控除等申告書などと1枚の様式) ほぼ全員。配偶者控除・配偶者特別控除を受ける人は、配偶者の欄にも記入する 自分と配偶者の年収の見込み
特定親族特別控除申告書 19〜22歳の子などの年収が136万円超197万円以下となる人 子の年収の見込み
保険料控除申告書 生命保険料・地震保険料や、自分で支払った国民年金保険料などがある人 保険会社や日本年金機構から届いた控除証明書
住宅借入金等特別控除申告書 住宅ローン控除が2年目以降の人 税務署から届いた申告書、金融機関の残高証明書

住宅ローン控除は1年目は年末調整では受けられず、確定申告をする必要があります。医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)についても、確定申告で控除を受けます。

令和8年分で書き方が変わる人

今年の改正により、次に当てはまる人は例年と書き方が変わります。

  • 19〜22歳の子の年収が136万円超197万円以下の人:特定親族特別控除申告書を提出すれば、子の年収に応じて最大63万円の控除を受けられます。対象となる年収は、令和7年分の123万円超188万円以下から変更されています。
  • 家族の年収が123万円超136万円以下の人:令和8年分から扶養親族の対象となったため、扶養控除等申告書に書き加えます。
  • 23歳未満の扶養親族がいて、新しい生命保険に入っている人:保険料控除申告書に記入する一般の生命保険料控除の上限が、6万円に引き上げられました。

扶養の年収の目安が上がった背景には、扶養親族の所得の基準が62万円以下になったことと、令和8年と令和9年の給与所得控除の最低額を74万円とする特例があります(租税特別措置法29条の4)。

年末調整の必要書類のチェックリスト。扶養控除等申告書、基礎控除申告書、特定親族特別控除申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書と、それぞれを出す人
年末調整で出す主な申告書は5つ。特定親族特別控除申告書は、19〜22歳の子の年収が136万円超197万円以下の人が出す

一緒に配られる「令和9年分」の扶養控除等申告書も忘れずに

年末調整の書類に加えて、令和9年分の扶養控除等申告書が配られることもあります。この書類は、来年1月からの毎月の源泉徴収に使われるもので、今年の年末調整用ではありません。記入するのは、来年の家族の年収の見込みです。書き方については、扶養控除等申告書の書き方【令和9年分】にまとめています。

還付の見込みを計算ツールで確かめる

今年はいくら戻りそうか、書類の提出前に確認しておくと、精算後に源泉徴収票と見比べることができます。

参考にした公的な情報