※内容は2026年10月5日時点の協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省・国税庁が公表した資料に基づいています。

冬のボーナスが近づくと、「額面はこのくらいのはずだけれど、実際の振込額はいくら?」と気になるものです。私も会社員だったころ、6月のボーナス月に給料・ボーナス・副業の収入を合わせ、初めて1か月の収入が100万円になったときは興奮しました。期待がふくらむボーナス月は、それだけ額面と振込額の差にも目が向きやすくなります。

ボーナスの手取りは、よく「額面の8割くらい」と言われます。ただ、実際は前月の給与と扶養の人数によって所得税の率が変わるので、人によって数万円の差が生まれます。この記事では、計算デスクのツールと同じ方法で計算した2026年冬(12月支給)のボーナスの手取りを、前月給与×扶養人数別の早見表にまとめました。

冬のボーナスの手取りはどのくらい?賞与50万円なら約40万円

協会けんぽ(東京都)に加入している30歳の会社員を例に見てみましょう。前月の給与(社会保険料を引いた後)が30万円、扶養0人の場合、2026年冬のボーナスの手取りは以下のとおりです。

  • 賞与20万円 → 手取り160,168円
  • 賞与30万円 → 手取り240,252円
  • 賞与50万円 → 手取り400,420円(額面の約80.1%)
  • 賞与80万円 → 手取り640,672円
  • 賞与100万円 → 手取り800,840円

一方、同じ賞与50万円でも、前月給与20万円・扶養1人では手取り417,840円(83.6%)、前月給与40万円・扶養0人では374,290円(74.9%)となります。その差は43,550円です。「手取りは8割」の目安は、前月の給与が高い人では外れます。

ボーナスから差し引かれる社会保険料(2026年度の料率)

ボーナスから差し引かれるものは、健康保険・介護保険(40〜64歳)・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険の社会保険料と、源泉所得税です。健康保険・厚生年金などの計算では、賞与の1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に料率を掛けます(雇用保険は賞与額そのものに掛けます)。これらの社会保険料は、前月の給与や扶養の人数には左右されません。

賞与額 健康保険+支援金 介護保険(40〜64歳) 厚生年金 雇用保険 合計(30歳) 合計(45歳)
20万円 10,080円 1,620円 18,300円 1,000円 29,380円 31,000円
30万円 15,120円 2,430円 27,450円 1,500円 44,070円 46,500円
50万円 25,200円 4,050円 45,750円 2,500円 73,450円 77,500円
80万円 40,320円 6,480円 73,200円 4,000円 117,520円 124,000円
100万円 50,400円 8,100円 91,500円 5,000円 146,900円 155,000円

料率(本人負担):健康保険4.925%(東京都9.85%の半分)、子ども・子育て支援金0.115%、介護保険0.81%、厚生年金9.15%、雇用保険0.5%(一般の事業)。健康保険・介護・支援金は料率を合算して計算し、端数は50銭以下切り捨て・50銭超切り上げで処理しています。会社によっては項目ごとに端数処理を行うため、1円のずれが出ることがあります。

30歳の場合、社会保険料は賞与のおよそ14.7%を占めます。2026年4月分から始まった子ども・子育て支援金の本人負担は、賞与50万円なら575円です。これは2025年冬のボーナスにはなかった項目です。

ボーナスから社会保険料と所得税が差し引かれるイメージ
健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・所得税は、ボーナスから差し引かれる

ボーナスの所得税を決めるのは「前月の給与」と扶養

ボーナスの源泉所得税を計算するときは、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使います。前月の給与(社会保険料を引いた後)と扶養の人数に対応する率を調べ、「賞与−社会保険料」に掛ける仕組みです。2026年12月に支払うボーナスには、令和8年分の表を適用します。

賞与50万円・前月給与30万円・扶養0人・30歳の場合の計算例:

  • 社会保険料:25,200円+45,750円+2,500円=73,450円
  • 算出率:前月給与30万円・扶養0人は「26万円以上30万9千円未満」の区分に当たり、6.126%
  • 源泉所得税:(500,000−73,450)×6.126%=26,130.453 → 26,130円(1円未満切り捨て)
  • 手取り:500,000−73,450−26,130=400,420円

率は前月の給与が高いほど上がり、扶養が多いほど下がります。押さえておきたいのは、ボーナスの額そのものでは率が変わらないという点です。ただし、ここで天引きされる税額は仮のもので、1年分の税額は年末調整で精算します。

ボーナスの手取り早見表:前月給与20万・30万・40万円×扶養0〜2人

30歳(介護保険なし)の場合について、税と手取りを一覧にまとめました。各セルは「算出率/源泉所得税/手取り」の順に記載しています。

賞与額 前月給与(社保控除後) 扶養0人 扶養1人 扶養2人
20万円 20万円 4.084%/6,968/163,652 2.042%/3,484/167,136 2.042%/3,484/167,136
20万円 30万円 6.126%/10,452/160,168 6.126%/10,452/160,168 4.084%/6,968/163,652
20万円 40万円 12.252%/20,904/149,716 10.210%/17,420/153,200 10.210%/17,420/153,200
30万円 20万円 4.084%/10,452/245,478 2.042%/5,226/250,704 2.042%/5,226/250,704
30万円 30万円 6.126%/15,678/240,252 6.126%/15,678/240,252 4.084%/10,452/245,478
30万円 40万円 12.252%/31,356/224,574 10.210%/26,130/229,800 10.210%/26,130/229,800
50万円 20万円 4.084%/17,420/409,130 2.042%/8,710/417,840 2.042%/8,710/417,840
50万円 30万円 6.126%/26,130/400,420 6.126%/26,130/400,420 4.084%/17,420/409,130
50万円 40万円 12.252%/52,260/374,290 10.210%/43,550/383,000 10.210%/43,550/383,000
80万円 20万円 4.084%/27,872/654,608 2.042%/13,936/668,544 2.042%/13,936/668,544
80万円 30万円 6.126%/41,808/640,672 6.126%/41,808/640,672 4.084%/27,872/654,608
80万円 40万円 12.252%/83,617/598,863 10.210%/69,681/612,799 10.210%/69,681/612,799
100万円 20万円 4.084%/34,840/818,260 2.042%/17,420/835,680 2.042%/17,420/835,680
100万円 30万円 6.126%/52,260/800,840 6.126%/52,260/800,840 4.084%/34,840/818,260
100万円 40万円 12.252%/104,521/748,579 10.210%/87,101/765,999 10.210%/87,101/765,999

40〜64歳では介護保険料も加わり、手取りは少し少なくなります。以下は45歳の場合の手取りです(単位:円)。

賞与額 前月給与(社保控除後) 扶養0人 扶養1人 扶養2人
20万円 20万円 162,099 165,550 165,550
20万円 30万円 158,648 158,648 162,099
20万円 40万円 148,295 151,746 151,746
30万円 20万円 243,148 248,324 248,324
30万円 30万円 237,971 237,971 243,148
30万円 40万円 222,442 227,618 227,618
50万円 20万円 405,246 413,873 413,873
50万円 30万円 396,618 396,618 405,246
50万円 40万円 370,736 379,363 379,363
80万円 20万円 648,393 662,197 662,197
80万円 30万円 634,589 634,589 648,393
80万円 40万円 593,177 606,981 606,981
100万円 20万円 810,491 827,746 827,746
100万円 30万円 793,236 793,236 810,491
100万円 40万円 741,471 758,726 758,726

計算の前提:協会けんぽ東京都・令和8年度の料率、令和8年分の算出率の表(甲欄)、雇用保険は一般の事業、その年度の賞与の累計は健康保険の上限(573万円)未満、同じ月の賞与はこの1回だけ。早見表の値は全セルについて、計算デスクの手取り計算ツールの社会保険料の計算と照合しています。

前月の給与と扶養の人数で手取りが変わるイメージ
ボーナスが同額でも、前月の給与と扶養の人数によって手取りは異なる

前月に給与がない場合はボーナスの所得税が小さくなる

入社直後や育休明けなどで前月の給与がない場合には、算出率の表を使わず、月額表による特例で計算します。まず(賞与−社会保険料)を6で割った額を月額表に当てはめ、求めた税額を6倍します(賞与の計算期間が6か月を超えるときは12)。

30歳・扶養0人の場合、源泉所得税は賞与20万〜50万円で0円、賞与80万円で3,480円、賞与100万円で12,060円となります。前月給与30万円・扶養0人として通常の方法で計算すると、賞与50万円で26,130円、100万円で52,260円なので、それに比べてかなり小さくなります。

反対に、ボーナス(社会保険料控除後)が前月給与の10倍を超える場合にも、月額表を使う特例が適用されます。例えば、前月給与(社保控除後)4万円・賞与50万円・扶養0人なら、源泉所得税は2,880円です。いずれの場合も、最終的な税額は年末調整で精算します。

2027年1月に支払うボーナスには令和9年分の表を使う

令和8年の税制改正により、算出率の表の区分の境目が引き上げられました。ただし、新しい表が適用されるのは2027年1月以降に支払う賞与からです。2026年12月に支払う冬のボーナスには、引き続き令和8年分の表を使います。

この記事の早見表の範囲(前月給与20万・30万・40万円×扶養0〜2人の9通り)で率が変わるのは、前月給与40万円・扶養2人だけ(10.210%→8.168%)です。冬のボーナスの支給日が年明けになる会社では、この点だけ確認しておきましょう。毎月の給与の税額がどう変わるかは、2027年分の源泉徴収税額表の記事で試算しています。

12月と1月で使う税額の表が変わるイメージ
ボーナスの計算に使う算出率の表は、2026年12月の支払いなら令和8年分、2027年1月以降なら令和9年分

自分の条件でボーナスの手取りを計算する

早見表に載っていない金額や、東京都以外の協会けんぽ・年齢で計算する場合は、計算デスクのツールをご利用ください。

会社でボーナスの支払いを担当している場合は、賞与の社会保険料・源泉所得税の計算や賞与支払届の作成を給与計算ソフトに任せることで、手計算によるミスを減らせます。

まとめ

  • 賞与50万円・前月給与30万円・扶養0人(30歳・東京都)なら、手取りは400,420円
  • 社会保険料は賞与のおよそ14.7%。2026年冬からは子ども・子育て支援金も加わる
  • 所得税の率を決めるのは前月の給与と扶養で、同じ50万円でも手取りの差は最大43,550円
  • 前月に給与がなければ、特例によって所得税が小さくなる
  • 2027年1月以降に支払う賞与には令和9年分の表を使う(この早見表の範囲では1区分だけ率が下がる)

出典

※早見表は、計算デスクの手取り計算ツールの社会保険料の計算と、国税庁の算出率の表(Excel・PDFと照合)に基づき、スクリプトで作成しています。